世嬉の一酒造株式会社
田舎だからこそデジタル化に取り組み、チャンスを広げる
岩手県一関市にある、世嬉の一酒造。地震で崩れていく酒蔵を目の当たりにし、一度は経営を断念しそうになりましたが、震災を機に代替わりし、日本酒だけでなくクラフトジンを造ったりビアカフェを出店したりと、さまざまな事業を通して前に進んできました。震災、そしてコロナ禍を経てデジタルの力を実感している今、さらなるツールの活用に取り組んでいます。
小さな会社でも、世界とつながることができる
「震災当時、電話がつながらなかったのですが、ブログに生きています、頑張っていますと書いたところ、それを見た方が支援物資を送ってくださり、デジタルの力ってすごいと思いました。」(代表取締役・佐藤さん)
それからもブログと SNS をリンクしたり、Google マイビジネスで酒蔵のレビューに返信したりと情報発信を続けたところ、だんだんとファンの方々やお客様との接点が増えていったといいます。
ビジネスのオンライン化を通じてより多くの人とつながりを増やし、一歩踏み出したことで可能性を感じることができたといいます。人手の少ない田舎の企業こそ、柔軟な発想をもってデジタル化に取り組むべきだと佐藤さんは考えます。
大切なのは「自分たちが持っている良さ」を、デジタルの力で生かすこと
世界遺産・中尊寺金色堂がある平泉からほど近い世嬉の一酒造には、外国人からの問い合わせも数多くあります。その際には Google 翻訳を活用してコミュニケーションを取っているそう。「Google のトレーニングを受けてみて、これは使わないといけないと思いました。動画の需要が高まっていることも受けて、YouTube のLive 配信も行っています。田舎ならではの情緒溢れる風景や自然に溶け込む世嬉の一酒造の良さを発信していきたいと考えています。この蔵の風景はこの地域のものだから、借金してでも残せるなら残すというのが先代との約束でもあります。大切なのは、自分たちが持っている強みや良さを、デジタルの力でよりよいものにしようと生かすことですね。」(佐藤さん)
代表取締役社長 佐藤 航さん